うわさに続きが生まれた? あの大提灯に強力な助っ人が登場したらしい!
2017年06月23日
諏訪市の大手町に並木通りと呼ばれる場所があります。
上諏訪駅の西口近くから高島城へ向かう道で、
けやきの大木が両側にあるため並木通りと呼ばれています。
並木通りでは、昭和20年代の中頃から手作りの大提灯をケヤキの木に飾ってきました。
高さが3m、直径が2mほどの大きな提灯です。
昭和40年代には道の両側に 30基ほどが飾られており、
ぼんぼりも飾るなどとても華やかだったそうです。
◇昭和44年の写真 ↓

その当時の賑わいの名残を今に伝えるものが、この大提灯で
上諏訪の夏の風物詩の一つになっています。
元々は、地元の商店主さんたちが制作してきましたが、
昨年から組織が変わり、新たに有志の皆さんにより結成された
「並木通り大提灯保存会」に伝統が引き継がれています。
そして昨年、大提灯の部品が50年ぶりに新調されたというのが以前のうわさです。
ここからがうわさの続き…
その大提灯作りに今年は、とても強力な助っ人が登場しました。
諏訪清陵高校書道部の皆さん、直接関わったのは2年生の部員4人です。
実は、大提灯…昨年の8基から10基にと2基増えました。
新しくスポンサーとなったのが、保険代理店『アストのほけん』という会社で、
地元のコミュニティFMに高校生にスポットを当てた番組を持っています。
その縁があって、諏訪清陵高校書道部と保存会を結んでくれた…という次第だそうです。
書道部の皆さんですが、文字を書いただけではありません。
提灯作りから手伝っています。6/1に紙切り、6/16には紙貼りに参加しました。
そのあたりの様子を「並木通り大提灯保存会」会長の藤原 千弘(ちひろ)さん聞きました。
『若いせいか飲み込みも早くて、こっちがモタモタしているうちにどんどん進めてくれて、とても助かった。孫のような高校生の参加で保存会員も楽しそうだった。』そうです。
そして6月18日、いよいよ大提灯に文字を入れました。
午後1時半ころから部員の一人、宮原めぐみさんが龍の絵を描き始めます。
宮原さんは美術を選択授業にするなど、絵をかくことが大好きだそうです。
練習を重ねたとはいて、下絵なしで描き進めていく様子にはびっくりしました。
◇だいたいの当たりをつけます

◇竜のラインです

◇まずは竜の絵を描きます




2時頃から文字を書き始めましたが、選んだ言葉は『意気軒昂』の4文字、
一人が一文字ずつ書き入れていきます。
◇意を書いたのは 藤森真梨子さん ↓

◇気を書いたのは 宇治芽美さん ↓

◇軒を書いたのは 有賀彩乃さん ↓

◇昂の文字と龍の絵を描いた 宮原めぐみさん ↓
保存会の皆さんや取材のマスコミ関係者が見守るなか、
15分あまりで文字を書き上げました。
そのあと、諏訪清陵高校書道部の名前、朱色の落款を入れて完成。

◇名前と落款を入れます

龍を描き始めてから1時間ほどと、本当に素晴らしい集中力でした。
何を書くかは一任されたそうですが、なぜ『意気軒昂』という言葉を選んだのか…
『大提灯作りを保存会の皆さんと一緒に行い、皆さんが元気に提灯を作っているところを見て選ばせてもらった』とのことでした。
◇最後に挨拶 ↓

当日、付き添いできていた顧問の小宮山健司先生のお話では、
書道部員は全部で16人、そのうち2年生は4人だけすが、とても仲が良いとのことです。
さすがのチームワークぶりを発揮。
かなりの凹凸があり墨ののりも違うため苦労したようですが、
心と込めて精一杯仕上げてくれました。
保存会の皆さんはこれからがたいへん。
7月9日にすべての大提灯10基をケヤキの木に飾ります。
高い木の枝に吊るす作業も全部自分たちで行います。
並木通りの大提灯は7/9~9/2(土) 新作花火大会まで飾られています。
午後6時~午前2時までは灯りが点ります。
風が吹いたり、大雨が降ったりすると大提灯を下ろすため、管理がたいへんです。。
そして、諏訪清陵高校の書道部の皆さんが書いてくれた『意気軒昂』が見られるのは
この期間だけ。ひと夏だけです。ぜひぜひ、見にいらしてください。
調査隊員:土橋桂子