松本神社にカップルで行くと・・・その真相は?
2014年06月20日

松本神社は、松本城に北側にある、松本城ゆかりの神社。
この松本神社にまつわる噂、松本の人は知っている人、多いと思うんですよね。
だいたい高校生ぐらいで聞くんです。お母さんからだったり、友達からだったり・・・。
で、デートコースから外れることになるんですよね、たいがい。
町で調査したところ、20代から70代まで、
「有名な噂ですよね」と。
70代の女性が、
「50年前にお嫁に来た時、姑から聞かされた」
とおっしゃっていたので、
もしかしたら100年近くにわたって、ささやかれ続けているのかも。
その噂とは・・・。もうおわかりですよね?
「松本神社にカップルで行くと別れる!」
まずはこの噂の全容をご紹介しましょう。
松本神社に祀られている松姫というお姫様。
徳川家康の異父妹にあたる人で、あまり器量が良くなかった。
松姫が器量が悪いことをふびんに思った家康が、
家臣の、松本城主 戸田康長に松姫を嫁がせた。
しかし。
夫の康長に相手にされず、
世をはかなんで、松本城のお堀に身を投げた。
とか、
康長が松姫を外に出すことを嫌い、薄暗い乾小天守に幽閉した。
とか・・・。
だから、松姫を祀った松本神社へカップルで行くと、
松姫が嫉妬して別れさせる。
なんか、まことしやか、でしょ?
ホントなの? ウソなの?
松本城管理事務所 研究専門員 南山 孝 先生が、教えてくれました。
これが、真相です!
①松姫は美人だった
管理事務所にある松姫の肖像画は、ふくよかで姿が美しい、
とても美人に描かれています。
②松姫は松本に来たことがなかった
松姫は24歳の若さで亡くなってしまい、
夫の康長が松本城主になったのは、松姫が亡くなって29年後のこと。
な~んだ・・・。 噂は完全に、作り話だったんですね。
でも、なぜこんな噂ができたんでしょうか?
「そればっかりは、私もよくわからないことです。
松本神社には、松姫と、松姫の子・永兼が祀られています。
永兼は本来ならば松本城主となるところでしたが、
若くして亡くなってしまったんですね。
永兼が亡くなった頃から戸田家は不幸が続いたため、
松本城主になれなかった永兼と、
その母・松姫の悔しい思いが悪霊になって、
戸田家に不幸を引き起こしたのではないか、と恐れられて、
ここに祀られるようになった。
そんな経緯があったらしいですけれどね。」
と南山先生。
松本神社には、松姫、その子永兼、夫である戸田康長、
そして戸田家の先祖と家臣、この5つの神様が祀られていて、
「五社」と呼ばれていました。

昭和28年に、松本城の中にあった若宮八幡宮が境内に遷宮され、
松本神社と改められたそうです。

写真を撮っていたら、仲睦まじいカップルが・・・。

大丈夫。松姫はきっと、優しく見守ってくれていますよね!
松本神社の例大祭は7月10日・11日。もうすぐです。
大人と子供の神輿が街中を練り歩き、
夜は花火。
けして大規模なものではないんですが、
なにしろ松本城の隣の駐車場で上げるんです。
なので、見に行くと、頭の上で上がるかんじ。近いんですよ、ものすごく。
炭もたっぷりかかります。
ある意味、迫力あるんですよ。
もしかしたら100年近く、語り継がれてきた噂は、真っ赤なウソだったなんて!
でも、それだけ松本神社は、市民にとって身近で大切な神様、なんでしょうね。
おまけ。

松本神社のおみくじ。
大吉でした。ひゃっほ~!!!
らじカンを代表して引いてきたので、
スタッフはもちろん、ラジオをお聴きのあなたも、
「大吉」で~す!
長年の謎が解けてとってもすっきり。でも今となっては「カップル」という言葉そのものが縁遠くなっているかもしれない、松本の調査隊員 塚原正子でした。