9/7噂・あの高倉健さんと坂城町の、「真剣!」な関係とは!?

昨年11月に亡くなった俳優高倉健さん。
知らない人はいない程の国民的大スターですよね。
任侠映画から文芸作品、コミカルな役まで幅広く活躍しました。
我が師匠、寺山修司は健さんの歌を作って、劇団のサルバドール・タリに劇中歌として歌わせてますし
劇団先輩の美術家横尾忠則は何枚も健さん主役のポスターを描いています。
ストイックな性格で、役作りも日常生活を厳しく律し、映画の持ち道具にもこだわり、
常に本物を求めていました。
その一環でしょうか、日本刀の蒐集にも熱心だったそうです。

その健さんが亡くなり、所蔵していた刀剣類数振りなどが、
遺族から埴科郡坂城町に寄贈されることになりました。
残された刀剣類の保管など行き先を探していた遺族が相談したのが、
健さんとは生前、親交がとても深かった坂城町に住む刀工、宮入小左衛門行平さんです。

宮入さんは人間国宝の刀匠、故宮入行平氏のご子息で、
坂城町で鍛刀道場(刀剣を製造する道場)を開いています。

その宮入小左衛門行平刀工に高倉健さんとの思い出をお聞きしました。

宮入刀工ご本人は、封印するつもりだった健さんとのつながりを、
健さんの真の姿を世間に知って欲しいという高倉さんのご遺族のご意向もあり、
今回、重い口を開いて頂きました。
それほどご遺族にも信頼されていたので、今回の刀剣類寄贈に繋がったのです。
まず最初にお聞きしたのは、健さんとの出会いからでした。


「30数年前、若き日の高倉さんは、私の父の刀匠の技に惚れ込んでいて、
父の刀を是非手に入れたいと思っていたし、実際に会いたいとも思っていたが
ある父の個展で会えるはずが、その機会を逃してしまった。
それをずーっと悔やんでいたそうだが、
月日が過ぎ、
私の友人が東京でアパレル関係の仕事で高倉さん関係の仕事もしていて、
偶然高倉さんに、『ボクの友人で長野で刀を作っているやつがいるんだけど』といったら
『その人、宮入っていわない?』とすぐピーンと来て、その直後直接私の所に電話をかけてきて
『俳優の高倉健です。しみじみ縁を感じます』
と言ったんです。それ以来、20数年、家族ぐるみのつきあいでした」
(宮入さんご家族と健さんがよく食事会を開いた庭)


宮入刀工も健さんも、絶対外せないのは「縁」だと常々強く思っているそうです。
実は今回お邪魔して私に言った第一声が「福島の方でしょ?」という言葉です。
宮入刀工は若い時に福島の立子山(地名)の刀匠の道場で5年ほど修行されていたそうで
そこは私の実家のすぐ近くで、私の福島訛りを聞いてピンときたそうです。
「縁ですね」と。
また私の師匠寺山修司の「家出のすすめ」を読んで北海道に数年家出されたことがあるという、
これまた不思議な縁を感じるなぁと感慨深く仰ってました。

健さんと一緒の写真も何枚か見せて頂いたんですが
リラックスした顔と、宮入刀工が打った刀を持つ真剣な表情、
色々な姿を宮入刀工には見せていたようです。
健さんからのお手紙もいくつか見せて頂きました。
宮入刀工が「無鑑査」(それまでの実績に基づいて与えられる栄誉ある資格)の称号を頂いた時に
健さんからもらった手紙の言葉が今でも座右の銘だそうです。
「行く道は、精進にして 忍びて終わり 悔い無し」。


「高倉さんは人にも厳しいがそれ以上に自分に厳しい生き方を貫いた方。
その人間形成に日本刀というのはとても大きな位置を占めていたと思う」
「そういう人を作り上げたのが何だったのか、いつでも見て感じて頂ける、そういう場所に坂城がなる、
それがまさしく高倉健からの贈りものだと思います。」と宮入刀工はしみじみと仰っていました。


遺族から託された刀剣類が今、「坂城町鉄の展示館」に於いて、
緊急特別展示「高倉健さんからの贈りもの」として開催展示中です。
http://tetsu.town.sakaki.nagano.jp/
安土桃山時代の名工堀川国広作の脇差や宮入小左衛門行平刀匠作の短刀など、
高倉さんが所蔵していた全ての貴重な刀剣類8点と書籍が見られます。
9月27日(日)までの期間限定ですが、その後も常設展のような形を計画中とのこと。
高倉健さんと坂城町の「真剣な」関係は永遠に続いていきます。
ぜひ、健さんの心と魂を感じに、「坂城町鉄の展示館」にご来場下さい。

   健さんの「網走番外地シリーズ」は全作見ている・根本豊でした

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