「高級な風が吹いてきそう!駒ヶ根でそんな団扇ができちゃうらしい」

高級な風が吹いてきそうな団扇
それがこちら!



半透明でものすごく薄い、白い色をした

何の変哲もない団扇に見えますよね

 

でもでも

 

それが、この団扇

普通の団扇とは全然違うんです!

 

何が違うかって?

 

とにかく違うの

 

これを作っているのがね・・・

 

・・・

 

・・・

 

人じゃないの・・・

 

 

見ちゃう?

 

 

行くよ

 

 

 

こちら!!!!!

 



 

何だかわかります?

 

 

もっとよく見ます?

 

これ!



そうです

お蚕様

 

今回お邪魔した噂の現場は

駒ヶ根シルクミュージアム

 

お話伺ったのは 学芸員の竹内慶子さん

 

なぜこんな団扇作りを考えられたのか?

実はこの団扇、蚕の習性をうまく生かしてつくられたものなんだそうです

 

お蚕様って平らな所に置いておくと丸い繭を作ることができないそうなんです

シート状に糸を吐いてしまう習性があって

それを利用した製品はだいぶ前から作られたりはしているんですが

一般の人が生も蚕を使って物を作るというのは珍しく

今年、駒ヶ根シルクミュージアムでは、地元の小、中学生を中心に

この生きた蚕を使って団扇を作る体験キットを期間限定で販売をしたんです

蚕10匹と団扇の骨と説明書がついて500円

 

少し小さめの蚕と桑の葉を持って帰り、少し育ててから団扇を作るセットと

もうすぐにでも糸を吐ける状態の蚕を持ち帰り、すぐに団扇を作るセットと

二つ用意されました

 

実際作られたものを見させていただくと

団扇の曲輪まで

本当にすっごく綺麗に仕上がっているのに驚きます



竹内さん達が最後仕上げをしたんだろうと思って聞くと

 

それは全部お蚕様が仕上げたもの

人の手で整えられたのではありません

 

と・・・

 

これも団扇を立てておいて蚕を乗せると上に上がっていく習性があって

その曲輪まで綺麗に糸を吐き仕上げていくんだそうです

 

でも人がしなきゃいけないことが一つだけあります

 

それは、均一に糸が行きわたるように

薄そうなところに蚕を動かす

ただそれだけ

 

でも、直に蚕を持って動かすという作業は

とってもハードルが高いという方もいるでしょう

 

10頭の蚕で1つの団扇を仕上げるのにかかる時間は丸2日

その間は、外出も避、け夜もたまに起きてみてやるなど、動かしてやるだけですが

根気がいります

 

でもちゃんと見ていてあげないと

下に落ちて、丸い繭をつくってしまうこともあるそうです

 

お蚕様は、糸を履くようになると一切食事をせず

ただただ糸を吐き続けます

 

そのように糸を吐けるようになる状態を「熟す」というふうに表現し

糸を吐ける蚕のことを「熟蚕」

だいぶ吐いて小さく黄色くなり始めてきたものを「過熟蚕(かじゅくさん)」というそうです



手前の黄色く見えるのが、過熟蚕の蚕

 

過熟蚕の蚕は体の中のシルクの元となる液体をどんどん吐き出し

どんどんどんどん小さくなって吐き切ったものをティッシュなどの上に乗せておいてあげると

脱皮してさなぎになり、そのあと脱皮して蛾になる

本来、私たちには見えない繭の中で行われている過程を見ることもできるそうです

 

これは、夏のこの時期のたった10日間くらいしか行えないイベントで

少し小さめの蚕と桑の葉を持って帰り、少し育ててから団扇を作るセットと

もうすぐにでも糸を吐ける状態の蚕を持ち帰り

すぐに団扇を作るセットと二つ用意されていて

そのどちらかを選んで持ち帰ったそうです

 

いつでも蚕が見られるシルクミュージアムでも、過熟蚕の蚕が見られることは珍しく

また、それを集中して時期を合わせて大量に育てるのは本当に大変な作業だそうで

毎年やりますとは言えないもの まさにプレミアムなイベントなんだそうです

 

お蚕様は実は人間が飼育しやすいように

運動神経のあまり良くないもの同士を交配し

飛べないのはもちろん

目も耳も鼻も機能は極めて弱い

餌すらもよっぽどお腹が空かない限り、自分で食べに行かない

ものすごく受け身の昆虫で

人間の管理のもとでなければ生きられない昆虫として生きてきたんだそうです

 

それが、一時期日本の経済を支えてくれていた

 

この団扇作りを通して

少しでもお蚕様への感謝の気持ちが育ってくれるといい

 

と竹内さんはお話ししてくださいました

 

触るのこわ〜〜いとかじゃなく

その命のありがたさを知るいい機会になるといいですね



工夫次第でこんな団扇も作れます

夏も一研究にはピッタリですね

 

蚕の顔が今でも忘れられない 西村容子 でした

 

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松本市出身。中学・高校のあだ名は「かっぺ」。

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元民放テレビ局のアナウンサー。3人の子どもを育てながら、おもしろいネタがないかとアンテナを張りめぐらしている。への字まゆげがチャームポイント。飯田市出身。

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