南信州の伝統野菜 源助かぶ菜は、たった一軒の家で守られているらしい!?
2016年12月22日
長野県の伝統野菜は70種類以上ありますが
そのうちの19種類が南信州に存在します
その中でも、一番最初の認定で選ばれた漬け菜の1つである
「源助かぶ菜」
気候的にも飯田下伊那でしか作られていない
独特の味わいを持ったかぶ菜ということになるんですが
「ノリ」のあるかぶ菜で、この「ノリ」というのが野沢菜にはない特徴で
その太いずいから出てくるトロンとした粘り気のある食感
これも源助かぶ菜のなんとも言えない食感と味わいの元のような感じなんです
葉っぱの色が紫色というのも特徴の一つ
img_3912
これが、源助かぶ菜
紫の葉っぱわかりますよね
この源助かぶ菜がどのくらいこの南信州に浸透しているかというと
この地域でお葉漬けといえば
昔から、この源助かぶ菜
img_3908
今でこそ、知名度の高い野沢菜を作る方もいるようですが
本当にそれはごく最近の話で
どの家庭でも当たり前のように源助かぶ菜を使っていました
それほど、この南信州に定着している源助かぶ菜をたった1軒の家で守っている
本当なんでしょうか?
泰阜村にあるそのお宅 岡本浩三(ひろみ)さんを訪ねてみました
お宅の前には源助かぶ菜の畑が・・・
img_3910
岡本さんによると
岡本家一軒でこの源助かぶ菜を守っているのは
本当の話!
でも、かぶ菜の栽培を一手に担っているわけではなく
全ての栽培の元となる
「種」
をたった1軒で守っているんだそうです
この源助かぶ菜というのは
もともと愛知県稲沢市の井上源助という方の種屋さんで
「箕輪蕪(諏訪紅蕪)」と関西系のカブ品種との交配させてつくられたかぶで
井上源助さんが作ったということで「源助かぶ菜」と名付けられたそうです
元々は愛知県から木曽を超えて種を売りに来た源助さんから
種を仕入れ、栽培されていた源助かぶ菜ですが
行商の折「岡本家に泊まっていた」
というのがそもそものきっかけで
行商に来なくなった源助さんに代わって親しかった岡本家に
種の栽培を受け継いで、岡本家が唯一の種とり農家となったというわけなんです
源助かぶ菜というのは
「野沢菜」に比べて草丈が低く、根元近くまで葉が広がっていて
色も、食べごろになると紫がかった色に変わります
その色が
独特な甘さと関係があるようなんです
霜にあたることで
アントシアニンの影響で葉は紫色に変わり
まさにブルーベリーと同じような作用で
葉が甘くなる
この「霜に当てる」
ということがとても重要で
野沢菜は泰阜村でも1年に3回ほど収穫ができるそうですが
源助かぶ菜は寒くなるこの時期しか採れず
この時期ならではの南信州の味覚なんです
種とりも、かなり気を使う作業なんだそうで
山の中の1軒屋である岡本家は、他の植物の影響を受けにくく
立地条件は最高ですが
よそから飛んでくる
ミツバチや鳥、冬には鹿と
種取りに影響を与える敵が
自然界にはいっぱい!
そんな様々なものと戦いながら
小さな小さな種を毎年、手作業で採るそうです
源助かぶ菜は、もともとつい最近まで各家庭で漬ける用に
自分の家で漬ける分を栽培したり
お漬物用として、かぶ菜自身が売られているだけだったんですが
平成15年から泰阜村の商工会の皆さんで
お漬物としての販売が始まったそうなんです
その名も「源助じいさんのおはづけ」
img_3919
これがまた、なかなか手に入らないほどの人気ぶりなんだそうです
ここに描かれた似顔絵は、岡本さん自身
源助かぶ菜の種を守る「4代目源助じいさんだ」
と、ご自身でも思っていらっしゃるそうで
守り抜くという思いが伝わってきそうですね
最近、お孫さんが成人式で
この岡本家の源助かぶ菜の種取りを継ぎたい
と村長さんたちの前で宣言してくれたそうで
岡本さん本当にうれしそうに話してくれました
南信州の伝統野菜「源助かぶ菜」は
これからも、岡本家の人たちによって
守られ続けていくんでしょうね
img_3914
岡本さんの優しい口調にほっこ利した気分になってしまった
西村容子でした
そのうちの19種類が南信州に存在します
その中でも、一番最初の認定で選ばれた漬け菜の1つである
「源助かぶ菜」
気候的にも飯田下伊那でしか作られていない
独特の味わいを持ったかぶ菜ということになるんですが
「ノリ」のあるかぶ菜で、この「ノリ」というのが野沢菜にはない特徴で
その太いずいから出てくるトロンとした粘り気のある食感
これも源助かぶ菜のなんとも言えない食感と味わいの元のような感じなんです
葉っぱの色が紫色というのも特徴の一つ
img_3912
これが、源助かぶ菜
紫の葉っぱわかりますよね
この源助かぶ菜がどのくらいこの南信州に浸透しているかというと
この地域でお葉漬けといえば
昔から、この源助かぶ菜
img_3908
今でこそ、知名度の高い野沢菜を作る方もいるようですが
本当にそれはごく最近の話で
どの家庭でも当たり前のように源助かぶ菜を使っていました
それほど、この南信州に定着している源助かぶ菜をたった1軒の家で守っている
本当なんでしょうか?
泰阜村にあるそのお宅 岡本浩三(ひろみ)さんを訪ねてみました
お宅の前には源助かぶ菜の畑が・・・
img_3910
岡本さんによると
岡本家一軒でこの源助かぶ菜を守っているのは
本当の話!
でも、かぶ菜の栽培を一手に担っているわけではなく
全ての栽培の元となる
「種」
をたった1軒で守っているんだそうです
この源助かぶ菜というのは
もともと愛知県稲沢市の井上源助という方の種屋さんで
「箕輪蕪(諏訪紅蕪)」と関西系のカブ品種との交配させてつくられたかぶで
井上源助さんが作ったということで「源助かぶ菜」と名付けられたそうです
元々は愛知県から木曽を超えて種を売りに来た源助さんから
種を仕入れ、栽培されていた源助かぶ菜ですが
行商の折「岡本家に泊まっていた」
というのがそもそものきっかけで
行商に来なくなった源助さんに代わって親しかった岡本家に
種の栽培を受け継いで、岡本家が唯一の種とり農家となったというわけなんです
源助かぶ菜というのは
「野沢菜」に比べて草丈が低く、根元近くまで葉が広がっていて
色も、食べごろになると紫がかった色に変わります
その色が
独特な甘さと関係があるようなんです
霜にあたることで
アントシアニンの影響で葉は紫色に変わり
まさにブルーベリーと同じような作用で
葉が甘くなる
この「霜に当てる」
ということがとても重要で
野沢菜は泰阜村でも1年に3回ほど収穫ができるそうですが
源助かぶ菜は寒くなるこの時期しか採れず
この時期ならではの南信州の味覚なんです
種とりも、かなり気を使う作業なんだそうで
山の中の1軒屋である岡本家は、他の植物の影響を受けにくく
立地条件は最高ですが
よそから飛んでくる
ミツバチや鳥、冬には鹿と
種取りに影響を与える敵が
自然界にはいっぱい!
そんな様々なものと戦いながら
小さな小さな種を毎年、手作業で採るそうです
源助かぶ菜は、もともとつい最近まで各家庭で漬ける用に
自分の家で漬ける分を栽培したり
お漬物用として、かぶ菜自身が売られているだけだったんですが
平成15年から泰阜村の商工会の皆さんで
お漬物としての販売が始まったそうなんです
その名も「源助じいさんのおはづけ」
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これがまた、なかなか手に入らないほどの人気ぶりなんだそうです
ここに描かれた似顔絵は、岡本さん自身
源助かぶ菜の種を守る「4代目源助じいさんだ」
と、ご自身でも思っていらっしゃるそうで
守り抜くという思いが伝わってきそうですね
最近、お孫さんが成人式で
この岡本家の源助かぶ菜の種取りを継ぎたい
と村長さんたちの前で宣言してくれたそうで
岡本さん本当にうれしそうに話してくれました
南信州の伝統野菜「源助かぶ菜」は
これからも、岡本家の人たちによって
守られ続けていくんでしょうね
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岡本さんの優しい口調にほっこ利した気分になってしまった
西村容子でした