噂の調査隊 「伊那谷に大男出現!その正体は?」
2014年04月17日
飯田の桜は花びらがほとんどなくなり、花吹雪の美しさに春を惜しむ・・・そんな季節になっています。
そんな伊那谷から、こちらも南信州の春には欠かせない話題を今日はお届けしますよ♡
今日は、まずこの写真からご覧いただきましょう!!

今日のタイトル通り、今日話題にしたい「大男」とはこちら!
お面をかぶり、手ぬぐいでほっかぶりをし、なぜか厚〜〜いどてらを着て、20cmくらいの高さの下駄を履いて歩くその大男
周りの人と比べるとその大きさわかるでしょ!
実はこの大男に私が初めて会ったのは、何年か前の「秋」でした。
とにかく遠くから見てもひときわ目立つその姿。
本来、春にしかお目にかかれないその大男に、秋に出会った!これが今日の「裏テーマ」ですのでお楽しみに!!
さて、その大男、松川町のある神社と関係があるという事で、その神社を訪ねてみました。
松川町の繁華街のほど近くにある、大洲七杉神社という神社。
その名の通り、境内に樹齢1000年の七本の杉を有する神社です。
もちろん、その大男は、この春も姿を現しました。
4月5・6日に行われた、七杉神社の春季例祭で!
そうなんです。春のお祭りには欠かせない登場人物の一人なんです。
南信州では、4月に入ると週末ごとに、各神社で春祭りが行われ、多くの神社で獅子舞が奉納されます。
去年、この番組でも、トラック1台ほどもある大きな屋台獅子の話題お届けしましたね。
その南信州の屋台獅子には、必ずと言っていいほど、獅子以外に「随行」と呼ばれる、お供のような者が登場するんですが、私、その大男はその中の一人かもしれないと思い、この春の例祭を仕切った、前総代長の宮下孝之さんに、その獅子の随行について伺いました。
大洲七杉神社の獅子の随行は、鬼におかめに花踊りに囃子屋台(獅子のお囃子は幌の中)と、とにかく盛りだくさん。

でも、その随行の中に「大男」らしきものは出てきません。
そもそも、お獅子の随行の種類というのは、ものすごく沢山あって、各神社の獅子舞ごとに全く違うんです。
単純にその種類だけを数えると10数種類。
例えば、この辺りの獅子舞の源流と言われる瑠璃寺の獅子には、2体の鬼と宇天皇と猿。
その瑠璃寺直系と言われる獅子の随行が同じかと言えばそうでもなく、それぞれのオリジナリティーを出したいのか、宇天皇が天狗に変わっていたり、全く違うものが付いたりしているんです。
去年紹介した座光寺の麻績神社は赤天狗に青天狗、それに歌舞伎風の衣装に身を包んだ、小学生演じる 梅王・松王・桜丸三兄弟。
さらに三国志の武将が登場する獅子もあるんですね~。
その他、天狗やひょっとこ、赤鬼、青鬼・・・
獅子について踊りなどを披露する、おかめに狐、稚児踊り、花踊りなどなど
その組み合わせも、鬼だけの所もあれば、天狗と鬼、おかめと狐、と組み合わせも様々なんですね。
でも、その10数種類あるといわれる各地の随行の中にも、「大男」らしきものはかけらも出てきません。
一体春祭りのどこで登場しているのでしょう?
実は、大洲七杉神社では、もう一つ大事な奉納があるんだそうです。
それは・・・

この集団、「狐の嫁入り」を奉納するみなさんなんです。
元々、大洲七杉神社のすぐ近くにあった、法蓮寺というお寺の初午の大祭に奉納されていたのが狐の嫁入り。
大洲七杉神社の春祭りより、大きなお祭りだったそうなんですが、そのお寺自体がなくなってしまったために、七杉神社にそのお寺のお稲荷様が合祀され、獅子舞と一緒に奉納される事になりました。
その狐の嫁入りには、まずは、「翁」と呼ばれる大きな男が、榊を手に先導を切って露払いをし・・・
出てきましたね!!!!
これが「大男」の正体でした!
狐の嫁入りに欠かせない登場人物だったんですね。
狐の嫁入りの話の続きしていきましょうね(^o^;;)
その「翁」の後ろに「労働」と呼ばれる、黒い山高帽に、裃(かみしも)に高下駄と、武士の時代と現代が融合してしまったような超アンバランスないでたちの人物が続き、かつては、狐の嫁入りなのに、ブラバンのような洋風な楽隊に導かれて練り歩いたんだそうです。
それもかなりアンバランス。

この眼鏡をかけた人が「労働」よ~く見ると変でしょ(笑)
そして、その後ろに、白い衣装に身を包んだ狐が、リアカーにお嫁さんを乗せて(男)、田んぼの中であろうがどこであろうが飛び跳ねて練り歩く!終いにはお嫁さんを振り下ろしてしまうほどの激しさで練り歩くそうなんですね。
宮下さんも、どうして、あんな大きな男の人が狐の嫁入りの先導をきって露払いをしているのか?
なぜあんなアンバランスなカッコをしているのか?も、全くわからないんだそうですが、いずれにしても、ちょっと変わった春祭りの奉納の一翼を担っていたのが大男だった!という事がわかりました。
でもなぜ、春しかお目見えする事のない「翁」に、私は秋に出会う事ができたんでしょうか?
実はここが!今回の調査の肝なんです。
私が、翁に出会ったのは、南信州獅子舞フェスティバルの会場だったんです。
獅子舞の随行でもない翁が、なぜ獅子舞フェスティバルに来ていたのか?
それは、「見た目の面白いし、ちょっと連れて行くか!」という保存会の皆さんの思いつきからだったんだそうです。
それを私は、「珍しい獅子の随行だ」と思ってしまったわけなんですね。
でも、こうやって、それぞれの地域の獅子舞の随行も、他とは違う独自のものをと何かをつけようと考えたり、あれが面白いんじゃないかと、どんどん進化をし続け、いろんな随行が生まれたのではないかというわけなんです。
そして、翁のように、今もなお工夫が凝らされ続けている。
飯田美術博物館の桜井さんは、このように伝統を守るだけでなく、更なる進化をし続ける南信州の獅子舞は
今「最もパワフルな芸能だ」と話してくださいました。
もしかしたら、今の翁の姿は、それが文化に変わる、その一つの歴史の1ページを見ているのかもしれませんね。
20〜30年後、もしかしたら大洲七杉神社の獅子舞の随行に、当たり前のように「翁」が加わっている可能性もありそうです。
今日は「翁」を通して、南信州の獅子舞の魅力もお届けしちゃいました。
翁の大きさに魅了され続けていた 西村容子 でした☆
そんな伊那谷から、こちらも南信州の春には欠かせない話題を今日はお届けしますよ♡
今日は、まずこの写真からご覧いただきましょう!!

今日のタイトル通り、今日話題にしたい「大男」とはこちら!
お面をかぶり、手ぬぐいでほっかぶりをし、なぜか厚〜〜いどてらを着て、20cmくらいの高さの下駄を履いて歩くその大男
周りの人と比べるとその大きさわかるでしょ!
実はこの大男に私が初めて会ったのは、何年か前の「秋」でした。
とにかく遠くから見てもひときわ目立つその姿。
本来、春にしかお目にかかれないその大男に、秋に出会った!これが今日の「裏テーマ」ですのでお楽しみに!!
さて、その大男、松川町のある神社と関係があるという事で、その神社を訪ねてみました。
松川町の繁華街のほど近くにある、大洲七杉神社という神社。
その名の通り、境内に樹齢1000年の七本の杉を有する神社です。
もちろん、その大男は、この春も姿を現しました。
4月5・6日に行われた、七杉神社の春季例祭で!
そうなんです。春のお祭りには欠かせない登場人物の一人なんです。
南信州では、4月に入ると週末ごとに、各神社で春祭りが行われ、多くの神社で獅子舞が奉納されます。
去年、この番組でも、トラック1台ほどもある大きな屋台獅子の話題お届けしましたね。
その南信州の屋台獅子には、必ずと言っていいほど、獅子以外に「随行」と呼ばれる、お供のような者が登場するんですが、私、その大男はその中の一人かもしれないと思い、この春の例祭を仕切った、前総代長の宮下孝之さんに、その獅子の随行について伺いました。
大洲七杉神社の獅子の随行は、鬼におかめに花踊りに囃子屋台(獅子のお囃子は幌の中)と、とにかく盛りだくさん。

でも、その随行の中に「大男」らしきものは出てきません。
そもそも、お獅子の随行の種類というのは、ものすごく沢山あって、各神社の獅子舞ごとに全く違うんです。
単純にその種類だけを数えると10数種類。
例えば、この辺りの獅子舞の源流と言われる瑠璃寺の獅子には、2体の鬼と宇天皇と猿。
その瑠璃寺直系と言われる獅子の随行が同じかと言えばそうでもなく、それぞれのオリジナリティーを出したいのか、宇天皇が天狗に変わっていたり、全く違うものが付いたりしているんです。
去年紹介した座光寺の麻績神社は赤天狗に青天狗、それに歌舞伎風の衣装に身を包んだ、小学生演じる 梅王・松王・桜丸三兄弟。
さらに三国志の武将が登場する獅子もあるんですね~。
その他、天狗やひょっとこ、赤鬼、青鬼・・・
獅子について踊りなどを披露する、おかめに狐、稚児踊り、花踊りなどなど
その組み合わせも、鬼だけの所もあれば、天狗と鬼、おかめと狐、と組み合わせも様々なんですね。
でも、その10数種類あるといわれる各地の随行の中にも、「大男」らしきものはかけらも出てきません。
一体春祭りのどこで登場しているのでしょう?
実は、大洲七杉神社では、もう一つ大事な奉納があるんだそうです。
それは・・・

この集団、「狐の嫁入り」を奉納するみなさんなんです。
元々、大洲七杉神社のすぐ近くにあった、法蓮寺というお寺の初午の大祭に奉納されていたのが狐の嫁入り。
大洲七杉神社の春祭りより、大きなお祭りだったそうなんですが、そのお寺自体がなくなってしまったために、七杉神社にそのお寺のお稲荷様が合祀され、獅子舞と一緒に奉納される事になりました。
その狐の嫁入りには、まずは、「翁」と呼ばれる大きな男が、榊を手に先導を切って露払いをし・・・
出てきましたね!!!!
これが「大男」の正体でした!
狐の嫁入りに欠かせない登場人物だったんですね。
狐の嫁入りの話の続きしていきましょうね(^o^;;)
その「翁」の後ろに「労働」と呼ばれる、黒い山高帽に、裃(かみしも)に高下駄と、武士の時代と現代が融合してしまったような超アンバランスないでたちの人物が続き、かつては、狐の嫁入りなのに、ブラバンのような洋風な楽隊に導かれて練り歩いたんだそうです。
それもかなりアンバランス。

この眼鏡をかけた人が「労働」よ~く見ると変でしょ(笑)
そして、その後ろに、白い衣装に身を包んだ狐が、リアカーにお嫁さんを乗せて(男)、田んぼの中であろうがどこであろうが飛び跳ねて練り歩く!終いにはお嫁さんを振り下ろしてしまうほどの激しさで練り歩くそうなんですね。
宮下さんも、どうして、あんな大きな男の人が狐の嫁入りの先導をきって露払いをしているのか?
なぜあんなアンバランスなカッコをしているのか?も、全くわからないんだそうですが、いずれにしても、ちょっと変わった春祭りの奉納の一翼を担っていたのが大男だった!という事がわかりました。
でもなぜ、春しかお目見えする事のない「翁」に、私は秋に出会う事ができたんでしょうか?
実はここが!今回の調査の肝なんです。
私が、翁に出会ったのは、南信州獅子舞フェスティバルの会場だったんです。
獅子舞の随行でもない翁が、なぜ獅子舞フェスティバルに来ていたのか?
それは、「見た目の面白いし、ちょっと連れて行くか!」という保存会の皆さんの思いつきからだったんだそうです。
それを私は、「珍しい獅子の随行だ」と思ってしまったわけなんですね。
でも、こうやって、それぞれの地域の獅子舞の随行も、他とは違う独自のものをと何かをつけようと考えたり、あれが面白いんじゃないかと、どんどん進化をし続け、いろんな随行が生まれたのではないかというわけなんです。
そして、翁のように、今もなお工夫が凝らされ続けている。
飯田美術博物館の桜井さんは、このように伝統を守るだけでなく、更なる進化をし続ける南信州の獅子舞は
今「最もパワフルな芸能だ」と話してくださいました。
もしかしたら、今の翁の姿は、それが文化に変わる、その一つの歴史の1ページを見ているのかもしれませんね。
20〜30年後、もしかしたら大洲七杉神社の獅子舞の随行に、当たり前のように「翁」が加わっている可能性もありそうです。
今日は「翁」を通して、南信州の獅子舞の魅力もお届けしちゃいました。
翁の大きさに魅了され続けていた 西村容子 でした☆