働くわんちゃんは世の中にたくさんいますよね。
盲導犬、聴導犬、介護犬、救助犬・・・。
大町市発祥の働くわんちゃんは、どんなわんちゃんなんでしょう?
会いに行って来ました。
山内さんちのココちゃん。3歳。
ココちゃんのお仕事は、猿を追うこと。モンキードッグっていうんです。
最近テレビでもよく見ますよね?
ココちゃんは1歳になる前から、モンキードッグとして活躍しています。
お父さんの山内さんはこうおっしゃっていました。
「この子はアメリカンブルドッグといって、噛む力がとても強いんです。
人に危害を加えてはいけないので、大きくなる前にしつけをと考えていたところ、
大町市の広報に市のモンキードッグの取り組みが紹介されていたんです。
それを見て、これはいいと思いました。
しつけもできるし、人の役にも立てますからね。」
家庭犬を訓練して、その家の周辺の猿を追ってもらう、というモンキードッグ事業。
実は大町市はこの事業を、今から12年も前、平成17年に始めているんです。
「全国に先駆けて行っています。
それで、『大町はモンキードッグ発祥の地』といわれているんです。
この地域は鳥獣被害がとても深刻で、特に猿は増え続けています。
畑を荒らすのはもちろんのこと、
家に入ってきて食べ物をあさったり、
旅館やホテルの露天風呂に入ってしまたり。
困っている人が本当に多いんです。
市としても様々な対策をしてきているんですけど、
なかなか難しいところでしてね。」
と、大町市農林水産課 降籏 渉さん。
降籏さんが案内してくれた西側の山沿いは、
人間を鳥獣被害から守る電気柵が張り巡らされていました。
動物たちが触るとビリビリっとくるようにできています。
人間が柵の中で暮らさなければならない現状。
行けども行けども続く電気柵を見ると、胸が痛みます。
そんな中で、モンキードッグが始まったんです。
「最初は偶然だったみたいです。
たまたまリードが外れてしまったわんちゃんが、
猿を追いかけてどんどん山へ入って行った。
犬が持つ本能なんでしょうね。犬猿の仲って言いますもんね。
それを見た飼い主が、これはきちんと訓練させれば、
とても役に立つのではないか、ということだったんです。」
これをきっかけに、希望する家庭犬に訓練をはじめたところ、
やはりとても効果があったそうです。
モンキードッグの訓練は約半年間。
大切なのは、
①猿を追っても、ご主人様が呼べば必ず戻ってくること。
②人には危害を加えないこと
なんだそうです。
これまでに36頭がモンキードッグになっていて、現在は24頭が活躍中。
これからも積極的に進めていきたい事業のひとつ、ということです。
ココちゃんが着ているオレンジのベストが、
大町市モンキードッグのユニフォームです。
お仕事をする時はみんな、これを着ます。
なるべく目立つように、という意図があります。
「犬は夢中で猿を追ってくれるので、
時には道路に飛び出してしまうこともあります。
人間のために働いてくれている時に、
人間が運転する自動車にはねられてしまうのは、悲劇です。
そんなことがないように願って、目立つユニフォームを着てもらっています。
大町市の道路を運転するときは、
モンキードッグに注意していただけたらと思います。」
道路には
『モンキードッグ活動中 飛び出し注意』
という看板もあちこちにあります。
みんなで注意しましょうね!!
さて。
最後にオチ。
実は。
ココちゃんのお父さん、山内さんは戌年なんだって!
戌年の山内さんと、ココちゃんの活躍を祈念して、
新春の調査隊、これにて めでたしめでたし。笑
松本の調査隊員 塚原でした。