噂の調査隊新春SP「大町市が発祥の働くわんちゃんとは」

SBCラジオ

2018年01月02日 17:29

働くわんちゃんは世の中にたくさんいますよね。

盲導犬、聴導犬、介護犬、救助犬・・・。

大町市発祥の働くわんちゃんは、どんなわんちゃんなんでしょう?

会いに行って来ました。

 



 

山内さんちのココちゃん。3歳。

ココちゃんのお仕事は、猿を追うこと。モンキードッグっていうんです。

最近テレビでもよく見ますよね?

ココちゃんは1歳になる前から、モンキードッグとして活躍しています。

お父さんの山内さんはこうおっしゃっていました。

「この子はアメリカンブルドッグといって、噛む力がとても強いんです。

人に危害を加えてはいけないので、大きくなる前にしつけをと考えていたところ、

大町市の広報に市のモンキードッグの取り組みが紹介されていたんです。

それを見て、これはいいと思いました。

しつけもできるし、人の役にも立てますからね。」

 

家庭犬を訓練して、その家の周辺の猿を追ってもらう、というモンキードッグ事業。

実は大町市はこの事業を、今から12年も前、平成17年に始めているんです。

 

「全国に先駆けて行っています。

それで、『大町はモンキードッグ発祥の地』といわれているんです。

この地域は鳥獣被害がとても深刻で、特に猿は増え続けています。

畑を荒らすのはもちろんのこと、

家に入ってきて食べ物をあさったり、

旅館やホテルの露天風呂に入ってしまたり。

困っている人が本当に多いんです。

市としても様々な対策をしてきているんですけど、

なかなか難しいところでしてね。」

と、大町市農林水産課 降籏 渉さん。

降籏さんが案内してくれた西側の山沿いは、

人間を鳥獣被害から守る電気柵が張り巡らされていました。

 



動物たちが触るとビリビリっとくるようにできています。

 



人間が柵の中で暮らさなければならない現状。

行けども行けども続く電気柵を見ると、胸が痛みます。

そんな中で、モンキードッグが始まったんです。

 

「最初は偶然だったみたいです。

たまたまリードが外れてしまったわんちゃんが、

猿を追いかけてどんどん山へ入って行った。

犬が持つ本能なんでしょうね。犬猿の仲って言いますもんね。

それを見た飼い主が、これはきちんと訓練させれば、

とても役に立つのではないか、ということだったんです。」

 

これをきっかけに、希望する家庭犬に訓練をはじめたところ、

やはりとても効果があったそうです。

モンキードッグの訓練は約半年間。

大切なのは、

①猿を追っても、ご主人様が呼べば必ず戻ってくること。

②人には危害を加えないこと

なんだそうです。

これまでに36頭がモンキードッグになっていて、現在は24頭が活躍中。

これからも積極的に進めていきたい事業のひとつ、ということです。

ココちゃんが着ているオレンジのベストが、

大町市モンキードッグのユニフォームです。

お仕事をする時はみんな、これを着ます。

なるべく目立つように、という意図があります。

 

「犬は夢中で猿を追ってくれるので、

時には道路に飛び出してしまうこともあります。

人間のために働いてくれている時に、

人間が運転する自動車にはねられてしまうのは、悲劇です。

そんなことがないように願って、目立つユニフォームを着てもらっています。

大町市の道路を運転するときは、

モンキードッグに注意していただけたらと思います。」

 

道路には

『モンキードッグ活動中 飛び出し注意』

という看板もあちこちにあります。

みんなで注意しましょうね!!

 

さて。

最後にオチ。

 

実は。

 

ココちゃんのお父さん、山内さんは戌年なんだって!

戌年の山内さんと、ココちゃんの活躍を祈念して、

新春の調査隊、これにて めでたしめでたし。笑

 

松本の調査隊員 塚原でした。