木曽郡大桑村のからすみは、甘くて優しい味?

SBCラジオ

2017年02月16日 15:50

からすみと言えば。
桐の箱にはいっていたりなんかする、あの高級品。
ボラの卵巣の加工品のことを思い浮かべますよね。
でもあれ、甘くて優しい味、じゃあないよね。
しかも、木曽郡大桑村で、からすみ作りが始まったらしいと・・・。
なぜ大桑村で? 海ないよ・・・。
調査に行ってまいりました。
    


   
大桑村 木工品・特産品販売店 木挽きの里。
ここで、からすみを造っているらしいんです。
中をのぞいてみると・・・
   

    

   
これが、からすみ?
   
木挽きの里 代表の岨手 孝子さんに聞きました。
   
「大桑村では昔から、米粉を練った甘い和菓子のことを、
からすみ、と言っています。
桃の節句、おひなさまに供えるお菓子で、
かつてはどこの家でも、桃の節句が近づくとこれを作っていました。
私の子どもの頃は、お友達の家を回って、食べ比べをするほど、
身近なお菓子だったんですよ。」
   
現在は家で作ることがなくなり、お目にかかる機会も減ってしまったそう。
岨手さんは、大桑村の大切な文化だからと、
7年ほど前から木挽きの里でからすみを作り、販売しています。
通常のからすみは、長細い形(写真下)ですが、
木挽きの里では、花びらの形のもの(写真上)も作っています。
   
「長細い形だと、車の中などで簡単に食べられないんです。
何人かのお客さんに、車の中で食べて帰りたいから、切ってもらえないか、
と言われて、それならば食べやすい形も作ろうと。
いろいろ考えて、春らしく花びらの形にしたら、
今ではこちらの方が人気なんですよ。」
   
   
味は桜、黒砂糖、くるみ、ヨモギなど6種類。
昔から家で作られてきた方法で、ひとつひとつ丁寧に作っています。
 
 
「とても手間がかかります。
でも、私たちが子供の頃食べた味を、多くの皆さんに味わってほしいし、
子どもたちにもきちんと伝えていきたい。
この時期は忙しいけれど、美味しいねって言ってもらえると、本当に嬉しいから、
頑張れるんですよね。」
     
食感は、やしょうまより柔らかくて、ういろうより少し歯ごたえがある感じ。
ほんのり甘くて素朴な味で
大桑村のからすみは、桃の節句に子どもたちの幸せを願う、
お母さんの味でした。
   

   

木挽きの里では、月遅れの雛祭り、4月3日まで販売しているそうです。
ぜひ一度、味わってみてください。