松本市博物館。
入口を入ってすぐのミュージアムショップにこの次期、
バレンタインコーナーが設けられています。
で、そのバレンタインコーナーのメーンが、話題を呼んでいるんです。
七夕人形。しかも、あまりお目にかかったことのない人形が・・・。
カータリくんストラップ。
なにこれ?
スタッフの保坂佳子さんにうかがいました。
「こちらは、七夕人形のカータリをモチーフにしたストラップです。
恋のキューピッド、ということで、バレンタインにぴったりの商品なんです。」
これが? 七夕人形? で、なぜ恋のキューピッド??
ストラップの梱包の中に説明が書いてある紙を発見。
こんなふうに書いてありましたよ。
カータリとは。
松本の七夕の特徴のひとつに「七夕人形」があります。
木や紙で作った織り姫とひこ星の人形を、軒先に吊るして七夕をお祝いします。
そんなまつもとの七夕人形の中に、ちょっと変わったキャラクターが出てきます。
それは「カータリ」といい・・・(中略)、織り姫、ひこ星と一緒に軒先にぶら下がっています。
この「カータリ」は、実は大事な役目を背負っています。
織り姫とひこ星は天の川に隔てられ一年に一回しか会えません。
そんな大事な日に、雨が降って天の川が増水してしまったら、二人は会えなくなってしまいます。
そんな悲しい日にならないために、「カータリ」は待機し、
七夕様を背負って増水した天の川を渡り、対岸まで送り届けます。
「カータリ」という名前も、「川渡り」から来ていると考えられ、
他にもカワゴエ(川越え)、アシナガ(足長)と呼ばれる形態もあります。
この「カータリ」は、全国でも松本にしか登場しません。
なぜこの松本で登場したのかは定かではありませんが、
今年も「カータリ」は、織り姫とひこ星の恋心を届けるために、軒先に吊るされます。
まさに、恋のキューピッド「ナイスガイ カータリくん」です。
(松本市立博物館)
なるほど! そういうことだったんですね!
「このカータリくんストラップを購入した東京の方が、
娘さんにプレゼントしたところ、その娘さんが良縁に恵まれたそうで、
再びここを訪れて私たちスタッフにそれを話してくれて、
またもう一つ買ってくださったんです。
こんな嬉しいことはないですよね~。
それはバレンタインにぴったりだ、ということになりまして、
コーナーを作ってみました。」
新聞などで取り上げられたことから、見に来る人が多くなっているそう。
取材をしたこの日も、若い女性が見に来ていました。
「こうしたことをきっかけに、松本の文化に触れてもらいたい、
知ってもらいたい、という願いから、ストラップを作りました。
もし興味を持ってくださったなら、ぜひ、館内もご覧いただきたいと思います。
博物館の中には、本物のカータリ人形も展示していますし、
お声掛けいただければ、学芸員が説明します。」
カータリは松本だけの独特の文化。
なかなか粋な発想ですよね。
でも、知っている人は少ないようです。
七夕が近づくと、松本ではあちこちで、織り姫とひこ星の七夕人形が見られますが、
カータリはなかなかお目にかかることはありません。
季節は違うけれど、こうして文化に触れることは大事なことだな~と思います。
この機会にぜひ、博物館の中もご覧くださいね。
入館料は大人200円、中学生以下100円です!